ねえ、私を見て
「くらら……」

夫は私をその場に座らせた。

「大丈夫か?くらら。」

よく見ると、夫は涙を流していた。

「ごめん、くらら。君をここまで追い詰めていたなんて……俺のせいだ。ごめん……」

私は夫にもたれかかった。

「要ちゃんのせいじゃない。私が勝手で、わがままだったの。」

「そんな事ないよ。」

「そうなの……」

私はキッチンからかろうじて見える、青空を見た。

「要ちゃん、私、浮気してた。」

「えっ!?」

「この前マンションに送ってくれたあの大学生の子と、浮気してた。」

「何言って……」

「でも、捨てられたの。」

止めどなく涙が流れた。

「私、一人ぼっちなの。」

「くららは一人じゃないよ。俺がいるから。」

夫は私を強く抱きしめてくれた。
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