ねえ、私を見て
そう言って、園子に隠し事をするのは、これが初めてだ。

「そう?じゃあ、あの女の子に報酬払って貰う?」

あの女の子とは、テストライティングで迷っていた子だ。

「あの子、テストライティング受かったんですか?」

「あくまでテスト。まあ、悪いところはなかったからね。」

よかった。

少し揉めていたから、テスト通るのかなって、心配していた。

「分かりました。支払いしておきます。」

「お願いね。」

こうして、また新たなライターさんが、誕生していく。

私は、この瞬間がたまらなく好きだ。

「ねえ、みんな聞いて。」

その呼びかけに、ちょっとだけ不思議な感じがした。

いままでは、『ねえ、くらら。聞いて。』だったから。

「今度さあ、金融関係にも幅を広げようと思うんだけど、どう?」
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