ねえ、私を見て
「そうなんだ。くらら、そういうところあるよね。」

「ははは。そうなんだ。」

これで誤魔化しきいたかな。

「はい、相馬君。これは確認OK。」

「ありがとうございます。」


そしてまた、デスクに戻る日奈人君。

昨日の夜の日奈人君、真っすぐ私を見降ろして、私に感じているようだった。

それが、忘れかけていた熱いモノを、呼び起こしてくれて、私未だSEXしていいんだと思わせてくれた。

でも、相手は大学生。

私は既婚者。

付き合ったら、不倫になる。

そんな世界に、日奈人君を連れ込む訳にはいかない。


「くらら。」

園子に呼ばれ、ドキンとした。

「なに?」

「どうしたの?ボーっとして。」

日奈人君がいなかった以前の私なら、ここで間違いなく、園子に相談していた。

「ううん……何でもない。」
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