ねえ、私を見て
「本当は、嫌だった?」

「えっ?」

「俺との関係、昨日で終わらせようとしていた?」

ドキッとした。

そう思いこんでいたのは、私の方だった。

「教えてよ、くららさん。」

彼の情熱が、伝わってくる。

「こんなオバサン、あなたの相手になれる訳ないでしょ。」

「オバサンとか、言うなよ。」

日奈人君は、私の肩を掴んで、瞳の奥を見つめた。

「くららさんは、オバサンなんかじゃない。俺には、年上の女にしか見えないよ。」

私ははははっと、力なく笑った。

「そうだよね。ごめん。お姉さんみたいなものだよね。」

すると日奈人君は、私の肩からスルッと腕を降ろした。

「俺、馬鹿にされてる?」

「えっ、ごめん。そんなんじゃ……」

「言ったよね。”女”にしか見えないって。」
< 32 / 147 >

この作品をシェア

pagetop