ねえ、私を見て
「今日の夜……いい?」

耳元で囁かれる言葉に、胸が熱くなった。

私は、この人の妻であって。

まだ子供がいないのであって。

セックスを拒む理由なんて、どこにもない。

でも……

「ごめん……」

「くらら?」

「今日、疲れていて。」

「そっか。じゃあ、仕方ないな。」

スルッと夫の腕が離れた。

なにやってんだろう、私。

日奈人君とは、セックスしているのに、夫とはできないなんて。

何の為に、結婚したの?

子供を産む為?

ううん、あの時はちゃんと夫が好きだった。

要ちゃんしか、見えなかった。

温かい家庭を、要ちゃんと作りたかった。

子供は2,3人いて、毎日要ちゃんと楽しく暮らして。

なのに、何で。

どこで間違えてしまったんだろう、私。
< 37 / 147 >

この作品をシェア

pagetop