ねえ、私を見て
その時、日奈人君から腕が伸びて、私の肩を抱き寄せてくれた。

そこでエレベーターのドアが開いて、私達は廊下に降りた。

「大丈夫?あんな事して。」

「何言ってんの。俺はくららさんが好きなんだから。あれくらい平気。」

胸がじわーっとくる。

「逆にくららさんは、嫌?大学生と付き合っているなんて、思われたくない?」

「そんな事!……」

ないって言ったら、嘘になる。

「……日奈人君とだったら、平気かも。」

そうよ。

既婚者なのに、大学生の男の子と付き合うのも、日奈人君が好きだからよ。

私達、想いは通じているんだわ。

「この部屋だね。」

日奈人君がドアを開けると、私は直ぐにそれを閉めて、彼にキスをした。

「くららさん。」

「今日は私がしてあげる。」
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