ねえ、私を見て
「暇って……仕事は?」

「言ってなかったっけ?俺、今日有給取った事。」

「聞いてない。」

「そうか、ごめん。」

笑顔で謝る夫に、怒る気すらない。

「とにかくありがとう。」

「うん。じゃあ、仕事頑張って。」

ドアを閉め、自分の席に戻って来た。

「早かったわね。」

「ううん。夫が、お弁当届けてくれたの。」

「そう。」

すると日奈人君が、私と顔を合わせないように、顔を反らした。

何か、悪い事でもしたかな。

もしかして、夫がオフィスに来たから、嫉妬しているとか。

「とにかくよかったじゃない。買いに行く前で。」

「うん。」

そしてお弁当を広げると、ある事に気づいた。

「これ、要ちゃんのだ。」

慌てて私はお弁当の箱を閉め、バッグの中に入れると、オフィスを出た。
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