ねえ、私を見て
そして翌日。

私はお弁当を持ってくるのを忘れた。

「確かに、ここに入れたはずなのに。」

何度探してもない。

やっぱり忘れてきたんだ。

「どうしたの?くらら。」

園子が心配そうに、近づいて来た。

「それがお弁当忘れちゃって。」

私は、ペロッと舌を出した。

「コンビニで何か買って来る。」

「いってらっしゃい。」

席を立ち財布を持って、オフィスのドアを開けようとした時だ。

先にドアが開いて、そこには夫が立っていた。

「要ちゃん!」

「よかった、会えて。」

「どうしたの?急に。」

「誰かさんが、お弁当忘れたから。届けに来た。」

夫から渡されたのは、今日の朝、作ったはずのお弁当だった。

「ありがとう、要ちゃん。」

「ううん。俺も今日暇だから。」
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