ねえ、私を見て
日奈人君は、よく私を見ていてくれる。

それだけで、ほっと安心する。

「……くららさん。一つ聞いてもいいですか?」

「なあに?」

「今日、オフィスに来た人が、くららさんの旦那さんで、間違いないんですよね。」

「そうよ。」

「本当に、本当ですか?」

「本当に、本当よ。」

すると日奈人君は、スマホをいじって、私に一枚の写真を見せてくれた。

その瞬間、私は目を奪われた。

黒髪のロングの女の子。

夫の車に乗っていた女の子だ。

「この女の子、日奈人君知っているの?」

「やっぱり……」

日奈人君は写真を消して、スマホをポケットの中に入れた。

「今日、くららさんが突然走りだして、俺、慌てて外を見たんです。そうしたら、彼女が旦那さんの車から出てきて……」
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