その手をぎゅっと掴めたら。
私だけ意識してる?
えいっと、やけくそになりながら箸に手を伸ばして麺を掬う。
「うん、ラーメンも美味しい」
「今まで食堂で食べたことがなかったけど、たまにはこっちで食べてもいいね」
「うん」
食堂のメニューを注文する凛ちゃんたちに付き合ってはいたけれど、私はいつも持参したお弁当を食べていた。葉山くんと食べるようになってからは体育館裏のベンチでのんびり食べていた。
ああ…私は葉山くんが傍に居てくれたから、ひとりぼっちでご飯を食べることなく、楽しいひと時を送れているのだ。
本当に葉山くんには感謝しかないな。
「葉山くん、いつもありがとう」
「どうしたの?急に」
「葉山くんにはたくさん感謝してます。昨日は雪ちゃんと3人でご飯食べられたし、葉山くんと出逢ってから、私、毎日がすごく楽しいの」
私にとって亜夜は居て当たり前の存在で、家族のような穏やかな存在だ。
そこに葉山くんが現れて、私の日常が明るくなった。
一言で言ってしまえば、幸せだ。
「俺も、楽しいし、佐野と居られて幸せだよ」
彼の柔らかい笑みと、窓から差し込まれた陽の光が相まって優しい空気が流れる。
嫌で嫌で通っていた学校で、こんなにも優しい日々を過ごせるとは思ってもいなかった。特に辛かった中学時代の私に教えてあげたいな。