その手をぎゅっと掴めたら。
何も考えずに行動した結果、二度もフラれたようなものだ。心も手も、腰も、全身が痛い。
行き交う人は小走りになっている。
一度目にフラれた時よりも酷い雨であることがおかしくて、苦しくて。
シャッターの閉まった中華料理の前で足を止めた。
緊張の糸が途切れたように、その場にしゃがみ込む。
足が痛い。
階段から落ちた拍子についた無数のアザが悪さをしているようで、もう歩きたくなかった。
亜夜…。
今日は出かけない約束だったのにごめんね。
お父さんも怒るだろうなぁ。
雨と涙でぐちょぐちょな目元を拭う。
「……っ、」
無理矢理に嗚咽を抑え込むが、唇が震えて喉が詰まって上手く息ができない。浅い息を繰り返し、なんとかして泣き止もうと唇を噛む。
時折、通行人の視線が突き刺さるが、
こんな雨の中、足を止める余裕がある人はいないようで、誰からも声を掛けられないことをいいことにその場に留まり続けた。