その手をぎゅっと掴めたら。

綺麗な瞳を、涙袋がより一層引き立たせ、吸い込まれそうになる。

その瞳に、いや、彼の全てに惹かれてしまう。


「…ありがとう、葉山くん」

「今まで後ろめたさもあって、俺に言えないこととかあったんじゃない?これからはなんでも言って。彼氏としてなんでも聞くし、なんでも知りたい」


葉山くんに優しく頭を撫でられる。


物理的な距離だけでなく、心の距離もぐっと縮まる。彼の言う通り感じていた後ろめたさから解放されて、ホンモノの恋人同士になれたんだ。


早く、亜夜に報告したいな。


「うん。なんでも話すね。葉山くんのこともたくさん知りたい」


「……」


頭を撫でてくれた葉山くんの手が止まった。


そしてさっと私から離れてしまう。


あれ?言ってはならぬことを口走ってしまったのだろうか。幸せの余韻が吹き飛ぶほどの沈黙になった。

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