悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


クールな漣くんを、にこにこ笑って交わす先輩。


先輩相手なのに、徐々にイラつき始めている漣くんの口調が荒くなってて。


「暇なら手伝え」


なんて、命令口調にまでなってる。


「暇じゃないよー。
俺は海凪ちゃんへのお誘いでいそがしーの」


「頭湧いてるんですね」


き、気まずい……。

わたしと距離を詰めてこようとすれば、漣くんが割って入る、その繰り返し。


「おっ、もう終わりじゃん。
俺、必要なかったなー」


「美化委員にあんたは必要ないと思いますけど」


漣くーん!

それはちょっと言い過ぎなのでは……!


「ほんっとかわいくない1年だね。
それに比べて……」

「っ、おい!」


「海凪ちゃんはついつい構いたくなるかわいさだね」


ちっ、近い……っ!


せっけん補充を終えて振り返ったら、洗面台に手をつき、わたしを囲うように立っている先輩。
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