悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「え向、坂……?」


驚くのも無理はない。

だって、漣くんに思いっきり捻った蛇口を向けたのはわたしだから。


「み、海凪ちゃん……?」


頭から水をかぶったというのに、先輩は口をぽかんとさせている。


「さ、漣くん、先輩に謝って」

「……」


「漣くん」


「……」


ポタポタと髪から雫が落ちて、漣くんの頬を濡らしていく。


もう1人の美化委員である委員長さんを放って、仕事もしないで話しかけてきて。

確かに先輩にも非はある。


たけど……。


「み、水をかけるのは間違ってるよ……!」


いくらわたしを守るとはいえ、水をかけるまではやりすぎだよ……!


一応、相手は先輩だから。
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