切なくて…逢いたくて…涙
「どこから話をしようかしら…」

「どこから⁇」

どう言う事⁇

「千秋ちゃんがうちの会社の清掃員に
なったのは偶然なの
でもね…飛龍と会わせたのは私の計画」

「計画⁇」

話が全く見えてこない…

「私は身分を偽って清掃員になってるの
会社にどんな人材がいるのか知る為にね
社員の声も聞きたいし…
誰も会長の嫁なんて知らないし…ましてや
社長の母なんてね
だから都合がよかったの
普通のおばちゃんとしてやってるのよ
社員でも特に女子社員をね…
まあ女子社員は色々あるでしょ!
で…たまたま千秋ちゃんがうちに来た訳」

「はあ…」

まだ話がわからない…

「うちは知っての通り財閥でしょ
飛龍の地位や財産で女が寄ってくる訳よね
まあ親が言うのもおかしいけど
容姿もそこそこでしょ
それが嫌だったの…
だから…財産とか容姿とか関係なく
飛龍を見てくれる人がよかったの
でもね…そんな子いないのよね〜
残念ながら…
そんな時に千秋ちゃんが入ってきたの
この子なら飛龍の事を財産とか容姿とかで
見ないだろうな〜ってね」

そうだよね
これだけの人だもん
母親だもん…気になるよね〜

「千秋ちゃんは仕事もきちんとしてくれた
素直だし…すぐに飛龍のお嫁さん
候補にした訳よ…私の一存で
ずっと"息子の嫁に来て"って言ってたのは
本当なのよ
偶然を装って飛龍を千秋ちゃんに
近づけたんだけど…
それが千秋ちゃんを苦しめる事に
なるなんて…ごめんね」

少しづつ話が見えてきた

「いいえ…」









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