政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「ねえちゃん、どうすんだよ」
「……え?」
つい意識がべつの方に飛び、話を戻すのに四苦八苦する。それもこれも罪深い抱擁と意味深な言葉のせいにほかならない。
「え?じゃねえよ」
大地に呆れられ、急いで頭を切り替えた。
「結婚、だよね。ほんとにどうしよう」
膝から力が抜けたようにその場にストンと腰を下ろす。
「だけど、うちの農園がそんなにひどい状態なんて、俺知らなかった」
「私もだよ」
「ねえちゃんがそうなんだもんな、俺が知らなくてあたり前か」
おそらく和夫は、菜摘たちに心配をかけたくなかったのだろう。その心労がたたって、心臓に負担をかけたのかもしれない。経営の悪化を理仁に打ち明けるくらいだから、相当まずい状態なのは予測がついた。