政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「ほら、口開けて」


唇のすぐそばまでスプーンを突き出されれば、拒むこともできない。エリカを気にしつつ、仕方なしに口を開いた。
恋人同士のように〝あーん〟されたうえ理仁が使ったスプーン、つまり間接キスになる。意識するなという方が無理だ。

どぎまぎしている菜摘の口の中にモンブランを乗せたスプーンが入ってきた。マロンペーストのコクのある甘さが口いっぱいに広がる。タルトのサクサクした食感がとてもいい。


「どう?」
「おいしいです」


恥ずかしさも忘れて顔が綻ぶ。理仁も「だよな」とうれしそうだ。


「ただひとつ気になるんだけど、定番のモンブランにも上に半分にした栗が乗ってるから、こっちはなにかべつの形態にした方がいいな」
「そうね……。あ、それじゃ栗に見立てたマカロンとかどう?」


しばらく考え込んだエリカがすぐに閃く。
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