政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
すかさず理仁が小声で久城を制する。
なにを言おうとしたのか気にはなったものの、久城は言われるままに口をつぐんだ。
「あの家はどう?」
いきなり久城に話を振られて混乱する。菜摘が目をまたたかせていると、彼は「ふたりの新居だよ」とさらに言った。
「あ、はい。とても素敵な家です」
でもどうして家の話を持ちだすのかわからず、小首を傾げて久城を見る。
「あの家をデザインしたのは一樹なんだ」
「そうだったんですか」
それで納得だ。
(そういえば美代子さんが言っていたっけ。日高さんの友人に相談しながら造ったって)
それが彼だったらしい。
「菜摘さんの希望通りだろう? 全部言うままに造れって、理仁のやつ横暴でさ」
「横暴は言い過ぎだろ」