政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「……理仁さん」
思いきって呼んだら、理仁はうれしそうに微笑んだ。
名前呼びの恥ずかしさからか余計に体が強張る。
「少し力抜こうか」
「そうしたいんですけど……」
頭と体があべこべだ。
「それじゃ、嫌でも力が抜けるようにしてあげようか」
不敵に微笑んだ理仁が再び口づける。親指で顎をそっと押して開かせた菜摘の唇に、否応なしに舌を割り入れた。
驚いているうちに舌を絡め取られ、ぬるりとした感触が口腔内をじっくりと舐め上げる。上顎を舌先でくすぐられ、予想外の甘い感覚にこらえきれずに深い吐息が漏れた。艶めかしく舌を吸われ、全身がとろけていく。
彼が仕掛けた三度目のキス。それは恍惚とした甘美なものだった。
(キスって、こんなに気持ちいいの……?)