政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

◇◇◇◇◇

あれでもないこれでもないと、菜摘がクローゼットの中であれこれと引っ張り出していると、待ちきれなかったのか、理仁が顔を覗かせた。


「ちょっと待ってくださいね。今決めますから」


なにしろミレーヌの会長夫婦、彼の育ての両親と会うのだから、そう簡単には決められない。


「菜摘、ちょっといい?」


振り返って見た彼は、白い布のようなものを手にしていた。


「これ、見覚えないか?」


そう言って理仁がそれを両手で広げる。


「……あっ」


真っ白なハンカチ。その四隅にイチゴのワンポイントが刺繍されている。
菜摘が母親に縫ってもらったものだったのだ。
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