政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

菜摘の大真面目な説明に、理仁がふっと肩を震わせて笑う。


「菜摘さん、おもしろいね。真剣な説明にサルやゴリラが出てくるとは思わなかったよ」


彼が笑った瞬間、空気まで甘く振動した気がして鼓動が弾んだ。容姿のいい男とは罪深いものだ。

でも、たしかに彼の言う通り。わざわざ動物に例えなくても、人間でよかったのにと後悔に襲われた。
上手な切り返しができず、咳払いをして平静を装いつつ大真面目に説明を続ける。


「注意するのは、受粉しているつもりでもできていない場合が多いことです。花が咲いただけでは、雄しべは花粉を放出しないので」
「なるほど」
「それから……」


笑みをたたえながら彼が感心したような相づちを打つから、つい調子に乗って受粉のメカニズムや発芽率まで延々と話して聞かせた。


「……あっ、すみません、つい」


長々と話していると気づき、急いで謝る。
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