政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

「イチゴがよほど好きなんだ」
「はい?」
「ペンもそうだけど、エプロンもイチゴだから」


そう言われて両方を見た。彼の言うようにペンには小さなイチゴ模様が描かれ、エプロンのポケットはイチゴがかたどられている。


「あっ……はい、そうなんです」


友達にも呆れられるくらい、私物にはイチゴの模様が多い。なんでもかんでもイチゴだ。
祖父母の営むイチゴ園が身近な存在だったせいか、それは幼い頃から。亡くなった母親にはハンカチや巾着にイチゴのワッペンや刺繍をたくさんしてもらったものだ。

(でも、ちょっと恥ずかしい)

子どもっぽい趣味だから余計に。完璧を絵に描いたような男を前にすると、どうしても委縮してしまう。


「頭の中には花じゃなくてイチゴが咲いてるって、友達にいつもからかわれます」


菜摘は肩をすくめた。
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