政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~

関東でイチゴといえば栃木が有名だが、配送コストや新鮮さの観点から、都内でハイクオリティのものを作る佐々良イチゴ農園は貴重な存在として扱われている。

(それなのに借金だなんて……)

菜摘は、そんな大事なことに気づかずにいた自分の未熟さが歯がゆかった。


「借金でイチゴ園を潰したくないからなんとか工面できないかと、キミたちのおじい様がミレーヌを頼ってきてね」
「祖父が?」


理仁が目線だけで頷く。

菜摘や大地の知らないところで和夫が頭を下げていたとは。ミレーヌと取引を開始してからまだ一年。信頼関係を築くには早い気もするが、和夫はそれだけ切羽詰まっていたのか。


「その負債をうちで肩代わりする条件として、俺の方は菜摘さんとの結婚を提示したんだ」


理仁は明瞭な口調でそう言った。

でも農園の借金が、なぜ菜摘との結婚に繋がるのかがわからない。
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