政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
てっきり料理選びに時間がかかっているのかと思っていた。
「邪魔しちゃ悪いと思ってね」
おどけたように言われて、もともと赤かった頬がさらに染まる。
「邪魔なんて。声をかけてくれた方がよかった」
唇を軽く尖らせて苦情を申し立てた。
「なかなかお似合いのカップルだったよ」
「カップルって。もうほんとにやめて」
今や有名な御曹司である理仁に失礼だ。彼は単にこの前のお礼を言いたかっただけ。
菜摘がいくらそう言っても、和夫は楽しげに笑うばかりだった。
その後、理仁のスピーチが始まり、その場でミレーヌの社長への就任が発表された。
壇上でミレーヌの未来に向けて熱く語る彼を、会場内の女性たちがうっとりと見つめる。中には目を潤ませる女性もいて、罪な男だと思わずにはいられない。