政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
高級そうな万年筆ばかりかワンピースまでいただくわけにはいかない。気持ちはありがたいが、理仁にそうしてもらう理由はないから。
「そんな必要はない。俺が勝手にしてるだけだ」
ひらりと手を振って制する。
「そうはいきません」
「じゃあそうだな……貸しにしようか」
理仁はいいことを閃いたとばかりにニッと口角を上げた。
「貸し?」
「そう。あとで返してくれればいい」
「返すってなにを……?」
なんでも持っていそうな御曹司の理仁に、菜摘のような庶民がなにを返せるというのか。
「それはまたじっくり考えるよ」
目を細めて妖艶に笑う彼にドキッとさせられる。
なにかよからぬ形で返す羽目になるのではないかと、つい邪推した。