政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「心配するな。体で返せなんて言わないから」
「っ……そんな」
頭の中を見透かされて言葉に詰まる。
「そうは考えなかった?」
「……考えました。ごめんなさい」
いくらなんでも彼に対して失礼だ。
くすりと彼が笑う。
「正直でよろしい」
ふわっと頭を撫でられ、不本意にも鼓動が跳ねた。
「不埒なことはしないから心配しなくていい。そうした方がいいというなら話はべつだけど」
「ま、まさか!」
ぶんぶん頭を横に振る。目もとにいたずらな色が滲み、またもやドキッとさせられた。
(絶対にからかわれてる……!)
そうわかっているのに速まる鼓動を止められない。
理仁はくくっと笑って肩を揺らし、「じゃ、俺はあっちの部屋にいるから」とベッドルームを出ていった。