政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
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それから一時間ほど休ませてもらい、菜摘は彼に言われるままに〝貸しイチ〟のワンピースを着てリビングスペースへ顔を出した。
ソファにゆったりと腰を下ろしていた理仁が立ち上がる。
「大丈夫?」
「はい。ご迷惑をおかけしました」
頭を深く下げる。
「似合ってる」
理仁は顎に手を添えて、うんうんとうなずいた。
お世辞だとわかっていても照れくさい。
「着物もよく似合っていたし、農園でのワークスタイルも決まっていたし、キミはなんでも着こなすね」
いったいどれだけ乗せるつもりか。その誉め言葉も使い慣れている証拠だ。
なんて切り返せばいいだろうかと情けなくオロオロしているうちに、理仁は菜摘を「こっちにおいで」と隣にある大きな丸テーブルに誘った。