政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「このままいけば農園は経営破たん。立ち行かなくなる。おじい様が大切にしている農園をこのまま潰したい?」
「それは嫌です」
首を大きく横に振る。ファインベリーも、あとひと息で出荷できるようになるのだから。
(それを目前にして潰すなんて……!)
菜摘は強い視線で理仁を見つめ返した。
「それなら、この話は非常に有意義なものだと思うよ。俺と結婚すれば、イチゴ農園は責任をもって存続させる」
結婚と引き換えに農園を救うと言う。
「それはつまり……」
「利害の一致による結婚と思ってもらってもいい。菜摘さんは農園を救いたい、俺はキミを手に入れたい。お互いにとっていい話だと思わない?」
あくまでもビジネスライクに問いかける。
農園を助けてもらえるのはとてもありがたいが、菜摘との結婚を引き換えにというのが今ひとつ解せない。〝そうですね!〟と即答できなくて当然だろう。
重大なふたつの話を前にして、菜摘は瞳を揺らして理仁を見つめ返した。