紅に染まる〜Lies or truth〜
【田嶋一平】
冷たくなった指先が入力することすら拒むように力を無くす
両親と経歴以外の情報は出てこない
欲しいのはこんな表面の情報じゃないと
震える指で情報を深掘りしていく
・・・なんで
厳重に護られた兄の情報に
疑惑が形となって姿を現した気がした
・・・橙美さんの言葉は本当なの?
護られ過ぎている情報を
一つずつ剥がしながら表に引き上げる
誰がここまで隠したのか
想像出来るだけに
胸の中のモヤが恐怖に入れ替わる
そして・・・
最も恐れていたことに辿り着いた
「・・・っ」