紅に染まる〜Lies or truth〜
「一平しかいらない」
小さな頃から癇癪を起こした後は泣き疲れて眠る愛が
うわ言みたいに吐き出す声に
心臓を鷲掴みにされたように動けなくなる
俺にとってこの言葉は
何にも代え難い呪縛
大澤碧斗の為に壁になると決めてから
特定の女《イロ》はいらない
それでも良いと言う女だけを
肌に触れさせたけれど
朝を迎えるまで一緒に居たい女はいなかった
愛は別次元
なによりも愛おしくて
抱きしめていても壊れそうで
俺の心全てやってもまだ足りない
注いでも注いでも
終わりなんて見えない愛への想い
例え愛の両手足が動かなくても
俺が側で支える
そんな風に囚われた想いを
愛との時間《とき》にぶつけた
時にそれは猟奇的だったかもしれない
何故なら
俺の想いは兄妹を超えているから