紅に染まる〜Lies or truth〜



「一平しかいらない」


小さな頃から癇癪を起こした後は泣き疲れて眠る愛が
うわ言みたいに吐き出す声に
心臓を鷲掴みにされたように動けなくなる

俺にとってこの言葉は
何にも代え難い呪縛

大澤碧斗の為に壁になると決めてから


特定の女《イロ》はいらない


それでも良いと言う女だけを
肌に触れさせたけれど

朝を迎えるまで一緒に居たい女はいなかった


愛は別次元


なによりも愛おしくて

抱きしめていても壊れそうで

俺の心全てやってもまだ足りない

注いでも注いでも
終わりなんて見えない愛への想い


例え愛の両手足が動かなくても
俺が側で支える

そんな風に囚われた想いを

愛との時間《とき》にぶつけた

時にそれは猟奇的だったかもしれない










何故なら








俺の想いは兄妹を超えているから


























< 25 / 227 >

この作品をシェア

pagetop