紅に染まる〜Lies or truth〜



「愛、大丈夫か?」



頭を撫でながらジッと見つめる組長を
ボンヤリ見上げていた


「どうした」


反応のない私に視線を合わせる組長の眉が下がった


答えられないほど
頭の中を占めたものに


感情を・・・奪われた








「愛!どうした・・・一平っ!」



「愛っ!・・・何があった!」



遠くのほうで聞こえる組長の焦った声に兄が近づく気配

それらをどこか他人事のように感じながら

薄れゆく記憶が・・・


断裂した








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