私は、この人の妻?

海斗が目を覚ますと
後から抱き締められていた

陸人····か·····

あの男は、あの時の幼馴染みか····
なら、俺は、もういらないか····

と、思っていると

「海斗、このまま聞いて。
ごめん、蕾に抱かれた。」
と、言うと
「そうか、看病させてすまない。
もう、そいつの所に行っていいぞ。」
と、言うと
陸人は、首をふり
「言い訳に····ならないけど····
海斗が、言うんだ。
俺を抱いてるときに。」
「何を?」
「······················」
「陸人?」
「······ほ···の····か··って
気持ち···いい····って
愛して····る····って
何度も、何回も。」
と、言う声がふるえる。
「俺が?」
「うん·····たまらないんだ····
間違われるの·····が。」
「間違うと言っても
俺、その人の事わからないのに?」
「だからだよ。
海斗の心の奥底に
あの人への気持ちがあるんじゃないか?と。
そう·····思うと····」
「すまん。そんなこと知らずに。」
「いや、俺もごめん。
蕾には、きちんと伝えた
俺は、海斗を愛してると
あんなことしておいてだけど」
「それなら、俺もそうだろう?
嫁か、元。その人を抱いたんだろう?」
「まぁね。」
と、言うと
海斗は、向きを変えて
俺を抱き締め
「ばか、もうするな。」
と、言うから
「うん。」
と、言うと
俺をそのまま抱いてくれた。

お互いにシャワーをして
ご飯を食べて
「ねぇ、海斗。
一度、その人に会ってみたら?」
と、陸人が言うと
「う~ん。そうだな。」
と、海斗もいい。

今日は、土曜日だから
昼から落合のおばあ様に
連絡をして話すと·····

落合のおばあ様から
『自分達も、
どこにいるのか、わからない。
と、言われた。』

『あの日、葬儀の時
顔色の悪い穂乃華をみて
奥の部屋で休むように言ったんだ
そしたら、外の空気が吸いたいと
外へ。

20分、30分たっても
戻らない穂乃華を探しに行こうとしたら
穂乃華の知り合いから
穂乃華は、自分の家にいるから
心配しないで下さいと
連絡があったっきり
会ってない。』

『それから、離婚届と手紙がきて
海斗には、長く付き合っている人が
いるのがわかったと。

佳寿のために
無理して穂乃華と一緒になったから
佳寿がいなくなって
穂乃華と一緒にいる意味はないと。

海斗に幸せになって欲しいと
書かれていた。』

「あんた、穂乃華を思い出したのかい?」
と、訊かれて
俺は、「いえ。」
と、首を振りながら答えた。

だが、陸人から
言われた内容を話すと。

落合のおばあ様は、
「そうかい。
でも、穂乃華から
連絡がないとどうにもならない。
辛いが穂乃華が一番辛いと
思うから穂乃華の思うように
させてあげたい。

ただ、あんたに会わせた事は、
私と佳寿の失敗だった。

やはり、穂乃華の目に狂いは
なかったんだ。
今は、あんたに恨み事は言わないが
穂乃華が、あんたを許さないなら
私はあんたを丸裸にしてやるよ。」
と、言った。

陸人は、話を聞いていて
海斗を捨てていなくなったと
思っていたが·····

陸人は、海斗に
おばあ様が言った奥の部屋には
俺と海斗がいて
抱きあって、キスをしていた
と、話した。

だから、彼女は姿を消したんだ
海斗を見捨て出て行ったんだと
思っていた·····と。

海斗は、そんな話をされても
穂乃華自身が
わからないから
なんとも言えないが·····
陸人は、たまらない気持ちになった。

彼女は、お腹が大きかった
間違いなく海斗の子供だ。
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