哀恋の先で、泣いて。
麻弥の両腕が私を包んで、誰かの香水の香りじゃなくて、私のすきな柔軟剤の香りに包まれた。麻弥の腕の中におさまった私が驚きながら彼を見つめると「最後」と言って私を抱く。




「俺の気持ちも聞いてほしい。最後にするから」

「うん」と発した言葉は震えて、私の身体も同じくらい震えていた。"最後"という言葉がこんなにも重いなんて知らなかったし、最後のハグは今までにないくらい優しくて、切なさが溢れる。





「椿のことずっとすきだよ、あの日から」
「……うん」

「だから、急に変わった椿が心配で、本当に心配で、でも心配が重なって不安に変わってた」
「うん」

「縛ってごめん、そうすることでしか自分を保てなかった。ほかの女子と話したら、関わったら椿は気づいてくれるかなって……俺のことがすきなら嫉妬するのかなって、試してた」
< 14 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop