旦那様、離婚はいつにしましょうか~御曹司と清く正しい契約結婚~
「ありがとうございます」


 お猪口にお酒を注いでもらったあと注ぎ返した。

 料理を並べ終えた仲居さんが去っていくと、なんとも気まずい雰囲気になる。


「相馬さん、どういうことですか?」


 お見合い相手が彼だなんて冗談、簡単には受け流せない。
 朝からわざわざ髪を結ってもらい、振袖まで着たのだから。


「着物姿もいいものだ。よく似合ってる」


 似合ってると褒められるのはうれしいけれど、聞いてます?


「ですから――」

「今日は俺と七瀬の見合いだ。俺は七瀬と結婚したいと思ってる」


 衝撃の発言にあんぐりと口を開けるしかない。


「結婚って、なに言ってるんですか?」


 私たちはただの上司と部下で、相馬さんから好意をぶつけられたこともなければ、御曹司という立場の彼に恋心を抱いたこともない。

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