HOME〜私と家族〜
やっと、タクとシンの居る生活に慣れてきたと思ったのに。

「ま、焦って答え出さなくてもいいんじゃない?だけど、一緒に住んでる以上、これから先どうするのかは決めなきゃいけないよ。いつまでもそんな態度取れないでしょ」

絵梨の言う通りだ。
私はコクリと頷いて、タクに渡されたお弁当を食べ始めた。
いつもと同じ、お姉ちゃんが作ってくれたお弁当なのに、なんだか涙が滲んできた。

「…タクは何食べてるのかな」

流石にもうあのお弁当は食べられないだろう。

「購買行くって言ってたけど、今日購買休みよね」
「えっ?」
「え、知らなかったの?今日は都合で休みだって、1ヶ月以上前から告知されてたけど」

普段購買なんて行かないから、全然知らなかった。

「どうしよう!」

思わず立ち上がる私に、落ち着いて、と絵梨が宥める。

「何も死ぬわけじゃあるまいし。友達にもうらなり、帰りに買食いしてもいいんだし」
「あ、うん…」

改めて、タクの優しさが身にしみる。
私が落としたのに。

「…やっぱりこのままじゃ嫌だな」
「うん」

絵梨は静かに頷いた。
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