HOME〜私と家族〜
集会では案の定、朝の2人が紹介された。
綺麗な顔をした兄の方が島本拓也、可愛い顔の小生意気な弟が信也らしい。

「ふうん…転入生がイケメンとは珍しい」

絵梨が小声で感心してる。

「朝、あの2人に会ったよ」
「ええ!羨ましい!なんで?」
「や、困ってたから、職員室まで案内したの」
「役得〜!3年生と1年生でしょ?もう関わりないかもしれないわね」
「そだね。ラッキー」
「にしても、校長の話長い」
「それな」

だらだらと締まりのない挨拶が終わり、ようやく私達は解放された。

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「ただいまー」

絵梨とパフェ食べて、帰ってきたらもう夜だった。
お姉ちゃん、晩ごはん作ってるかな?

「遅かったじゃない」

リビングから出迎えてくれたのは、予想に反してお母さん。

「ん。絵梨とカフェ寄ってた。お母さんがこの時間にいるのも珍しいね?」

お母さんは女手一つで育ててくれてる、広告代理店に勤めるバリキャリウーマンだ。

「今日は大事な話があるのよ」

お母さんのあとについてリビングに行くと、見知った顔が。

「…お客さん?」

転校してきたばかりの、島本兄弟だった。
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