HOME〜私と家族〜
「あと何買うの?」
「買い物は終わり」
「えっ、早いね」

もっといっぱいあちこちのお店見るのかと思った。

「だけど、まだ付き合ってもらいたいところがあるんだけど」
「いいよ」

どこ、と聞こうとしたタイミングで、店員さんがビビンバと冷麺を運んできた。

「どこに行くの?」
「それは食べ終わってからのお楽しみ」

結局聞いてもはぐらかされてしまった。

「少し食べるか?」
「え、いや…」
「冷麺も捨てがたいんだろ?」

そうだけど…。
ずい、と出された箸を素直に受け取ってもいいものか悩む。
結局、欲に負けて、おずおずと頂いた。

「タクも食べる?」
「俺はいい」
「そう?」

なんだか一方的にもらてばかりなのは申し訳ないけど、タクは全然気にしてなさそうだった。
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