HOME〜私と家族〜
「…あ」
「えっ」

タク…!?

「悪い」

タクが目をそらして、慌てて背を向けたところで、ふと立ち止まった。

「…ペンダント、つけてるんだな」
「あ、うん。…好き、だから」

そっと触れる。

実は、もらったあの日から毎日つけている。
なんとなく、安心するから。
いつもはワイシャツに隠れて見えないようにしているけれど。

「そうか。気に入ったなら良かった」

タクはふっと笑って、洗面所を出ていった。
それを呆然と見届けてから、丁寧にペンダントを外して、洗面台に置く。

…というか、タク。
あの一瞬で見たの?
てことは、見られた?

鏡に映る、決して大きくはない己の双丘に自然と視線が向かい、今更ながらに
顔が熱を持つ。

「バカ!」

勢いよく蛇口捻り、冷たいシャワーを頭から浴びる。

…バカみたい、本当に。
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