HOME〜私と家族〜
「こう見えてってのが余計よ、美穂」

お母さんは笑いながらお姉ちゃんにピシャリと言い放つ。

「…たしかに、少しはお金のことも考えた。でも、どのみち奨学金借りる予定だし、どうせなら挑戦したい」

そこまで言われては、お母さんももう何も言えなかった。

「わかった。応援するわ。あなた達も、拓也は受験生なんだから、協力しなさいよ」
「はあい」
「受験生は大変だね」

進路の話はまだまだ先、部活に勤しんでるシンは、他人事のようにご飯を食べ続けてる。

「じゃ、そういうことで」

お母さんは食器を下げて、仕事の続きするから、と部屋にこもった。

「さ、早く食べちゃって」

お姉ちゃんに急かされて、私達はまた箸を持ち始めた。
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