HOME〜私と家族〜
母子家庭の宿命か、お姉ちゃんと交代で家事をしていた私は、少しだけ上から目線に評価してしまう。
「…わ、本当に美味しい」
一口含んだだけで、初日にお姉ちゃんが作ったのと、香りが違うのがわかる。
多分これは、オリジナルブレンドのスパイス。
「本当にってなんだよ。信じてなかったのか?」
「そんなことないけど。こんなに美味しいなんて思わなかったもん」
タクはちょっと驚いた後、クシャッと嬉しそうに笑った。
それがまた綺麗で、瞬間見とれてしまった。
「沙穂ちゃん?」
「あ、ごめん」
不思議そうに顔を覗き込むシンに、慌てて焦点を合わせる。
「もう!疲れてるの?」
「あは、そうかも」
金曜日だし。1週間の疲れかな、タクに瞬間でも見とれるなんて。
シンは早く寝たほうがいいよ、と言って、さっさと食べ終わると、宿題があるからと部屋に籠もってしまった。
「風呂、沸いてるから入れば?」
「ダメだよ、作ってもらったんだから、後片付けは私にやらせて」
「どうせ皿も少ないし良い。それより、シンも言ってたけど早く休めば」
そうは言われても、任せきりでなんて落ち着いてお風呂に入れない。
半ば強引に片付けていたからだろうか、つるりと手が滑り、皿を落としてしまった。
陶器が割れる音が響いて、慌てて拾い集める。
「…わ、本当に美味しい」
一口含んだだけで、初日にお姉ちゃんが作ったのと、香りが違うのがわかる。
多分これは、オリジナルブレンドのスパイス。
「本当にってなんだよ。信じてなかったのか?」
「そんなことないけど。こんなに美味しいなんて思わなかったもん」
タクはちょっと驚いた後、クシャッと嬉しそうに笑った。
それがまた綺麗で、瞬間見とれてしまった。
「沙穂ちゃん?」
「あ、ごめん」
不思議そうに顔を覗き込むシンに、慌てて焦点を合わせる。
「もう!疲れてるの?」
「あは、そうかも」
金曜日だし。1週間の疲れかな、タクに瞬間でも見とれるなんて。
シンは早く寝たほうがいいよ、と言って、さっさと食べ終わると、宿題があるからと部屋に籠もってしまった。
「風呂、沸いてるから入れば?」
「ダメだよ、作ってもらったんだから、後片付けは私にやらせて」
「どうせ皿も少ないし良い。それより、シンも言ってたけど早く休めば」
そうは言われても、任せきりでなんて落ち着いてお風呂に入れない。
半ば強引に片付けていたからだろうか、つるりと手が滑り、皿を落としてしまった。
陶器が割れる音が響いて、慌てて拾い集める。