御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
「遥は?」

「私は、このマンションに帰って来たら、自炊してるよ」

「?帰ってないこともあるのか?」一晩色々な話をしたが、まだまだお互い知らない事が多い。

「平日は、翔さんの秘書の仕事の後も、通常の自分の仕事もしているでしょう?だから、遅くなったらここに帰らず、ホテルの部屋に泊まってる」

「ホテル?」

「そう。昨日のホテル内に一室持ってるの」

「ヘッ?!」驚く翔。

「また、そのうち案内するわね」

「ああ。遥といると驚かされてばかりだよ」

「そうかしら?」

「遥の生活が想像出来ない」

「普通だよ?」

「全く普通じゃない」

「朝食、うちに移動して食べる?冷蔵庫にここよりは入ってるから」

「西園寺さんとは一緒に住んでないんだな」

「お祖父様?お祖父様は隣に住んでる」

「マジか!このマンションだよな?」

「そうだよ」

「今日は、部屋におられるかな?」

「どうして?」

「遥と付き合う事と同棲したい事をお話して、了承をもらいたい」

「お祖父様は反対しないわよ」

「そう言う問題じゃなく、ケジメだな」

「翔さんありがとう。聞いてみるから、先に私の所で朝食にしよう」

「ああ」

翔は、ジャケットを爽やかに着こなし戻ってきた。休みの日なのでスーツではないが、カジュアル過ぎないような服装だ。
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