One s death -the last sword-
「レディック王」
「…やっぱりそれ、ちょっと違和感あるなぁ」
低く苦笑すると、レベッカの姿が隣にあった。
あの、微笑みをうかべて。
「なあ、レベッカ」
「何です?」
すぐ返事の返る、優秀な騎士。
背中に、子どもの頃の黒い影を背負いながら。
「子どもの頃の話を、少し前にディットから聞いたんだ」
「俺の…ですか?」
「うん」
不意に、冷たい風が頬をよぎった。
「忘れましたよ、そんなもの」
「……えっ?」
予想外の返事に、間の抜けた返事を返してしまう。
「今は、そんな事より他のものに気をつかってしまって」
レベッカの目は、前髪に隠れて見えなかった。
だけど、口元は確実に笑っていた。
「何だよ、それ」
薔薇の蕾に顔を近付け、そっと唇をおしつける。
柔らかな蕾が、揺れた。
『…まぁ、学者が分かるような単純な未来じゃ困るけど』
『ひとつの事しかできないなら、そのひとつを全力で頑張ればいいって』
『終わらない夢はない』
『いずれは過去と呼ばれるこの瞬間を永遠に残したかった』
『傍には、誰もいない』
『何もかも捨てて、全てを始めからやり直したい。 …逃げたい』
『『死』さえ、今の俺にとっては遠い楽園』
「…やっぱりそれ、ちょっと違和感あるなぁ」
低く苦笑すると、レベッカの姿が隣にあった。
あの、微笑みをうかべて。
「なあ、レベッカ」
「何です?」
すぐ返事の返る、優秀な騎士。
背中に、子どもの頃の黒い影を背負いながら。
「子どもの頃の話を、少し前にディットから聞いたんだ」
「俺の…ですか?」
「うん」
不意に、冷たい風が頬をよぎった。
「忘れましたよ、そんなもの」
「……えっ?」
予想外の返事に、間の抜けた返事を返してしまう。
「今は、そんな事より他のものに気をつかってしまって」
レベッカの目は、前髪に隠れて見えなかった。
だけど、口元は確実に笑っていた。
「何だよ、それ」
薔薇の蕾に顔を近付け、そっと唇をおしつける。
柔らかな蕾が、揺れた。
『…まぁ、学者が分かるような単純な未来じゃ困るけど』
『ひとつの事しかできないなら、そのひとつを全力で頑張ればいいって』
『終わらない夢はない』
『いずれは過去と呼ばれるこの瞬間を永遠に残したかった』
『傍には、誰もいない』
『何もかも捨てて、全てを始めからやり直したい。 …逃げたい』
『『死』さえ、今の俺にとっては遠い楽園』