One s death -the last sword-
俺の顔を、レベッカは微笑みをうかべて見ていた。

レベッカは俺の求めたもの全てを与えてくれたのに、俺は何ひとつ返せない。

「…俺はっ、レベッカになりたかった…」
レベッカの手が、俺の頭に優しくのった。
そのまま子どもをあやすように、頭を撫でてくる。
レベッカから見たら、俺は子どものままなのだろうか。
また、俺の劣等感を刺激してくる。
「強さが、ほしいんだ。この国の『王』に、なりたいんだ…」
「もう、『王』じゃないですか?」
優しい、低い声が頭上にふってくる。

手をのばしたら触れる事ができるのに、何をしても届かない。

「レベッカには、たくさんのものをもらったのに俺は何も返せなくて……」
全てを捨てた時、残ったものは何もないと思っていた。
捨てたものはたくさんあったのに、得たものはないと思ってた。
「その言葉だけで、充分です」

いつまでも隣にあったのは
レベッカの姿

体が、震える。
レベッカの手が俺の頭の後ろにまわり、喉の裏を優しく撫でる。
と同時に、レベッカが地面に膝をついた。
「この命・体滅びるまで主に仕える者…。我が名は、レベッカ・ラクロイム…」
2度と、この時間は戻ってこない。
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