再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
天井を見ながら、私はまた、子どもの頃のことを思い返した。


確か…


瑞が高校2年の終わり頃だったよね、お祖母さんが亡くなってしまったのは。


原因は、胃の疾患だった。


あの時、私はまだ中学1年生。


瑞が落ち込んでたのを、子どもながらに慰めてたような気がする。


でも、しばらくして、瑞はお祖母さんみたいな人を救いたいって、お医者さんになることを決意した。


もともとめちゃくちゃ頭が良かったけど、それからは、夢を叶えるために今まで以上に必死に勉強してた。


私に…


「お前がもし病気になっても、俺が必ず治してやるから」


って…そう言ってくれたよね。


実際に、ちゃんとお医者さんになって、私の風邪を治してくれた。


本当に…


実現したんだよね、あの約束。


瑞は、すごく立派だよ。


目を閉じると、瑞と過ごした、いろんな場面を思い出す…


その全部がとても懐かしくて、優しい。
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