再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
傲慢なお嬢様~瑞side~
『愛莉、おはよう』


『愛莉、おやすみ』


『…愛莉…』


そんな風に彼女の側にいて、声をかけられる日常に、俺は満足していた。


ずっと長い間近くにいたのに、ある日突然別れがやってきて。


何も言えないまま離れていた数年。


無理矢理に、必死で気持ちを抑えようとしていた自分がいた。


大学時代は、とにかく一生懸命勉強に打ち込んだ。


研修医時代、医師になってからも、無我夢中で前に進もうと努力した。


その間、彼女がいたことはあったけど、本気で好きにはなれず…


結局、心の中にはずっと愛莉がいた。


でも今は…


そうやって思い続けた愛莉と一緒にいられる。


朝も、夜も、お互いが休みの日は昼の間も。


そんな日が来るなんて…


あの頃は思いもしなかった。


幼い少年のほんのりとした淡い恋心。


それは、今はもう…


情熱的に燃え上がる、大人の愛情に変わっているんだ。
< 127 / 185 >

この作品をシェア

pagetop