再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『…はい』


賢人君がしょんぼりした顔で下を向いた。


『でも…ありがとうね。気持ちは嬉しい』


私がそう言うと、すぐに顔をあげて、少し笑ってうなづいた。


将来は自分のお店を持ちたいって、そんな素敵な夢を抱いて、ラ・フルールに入ってきた賢人君。


最初は緊張してたまに失敗もしたりしたけど、半年経った今は、仕事もキッチリ出来るようになってきた。


周りから可愛がられる、本当にピュアで優しい人。


きっといつか、自分の花屋を開いた時、たくさんのお客様が賢人君の笑顔に癒されるんだろうな。


そんな賢人君の夢、私も応援したい。


私達は病院での仕事を終え、また店に戻って、お客様からの注文の花束をいくつか作った。


エプロンに入れたままの携帯…


通知が来る度に、仕事中なのに気になってしまう。


画面に、


「菅原 瑞」


って、表示されたらどうしよう。


本当に瑞は連絡くれるのかな…?


私…おかしいよね。


彼氏からじゃなく、瑞からの連絡を待ってしまってるなんて。
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