再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
私と瑞との間にある長い長い幼なじみとしての時間。


そして、自分自身に自信がもてないこと。


いろんなことが私の「前に向きたい」っていう気持ちを否定する。


答えを出すことがすごく難しかった。


情けないよ、こんな自分がすごく嫌になる。


泣きたい。


『…ごめん。急にいろいろ言いすぎたかも知れない。だけど…俺の気持ちは、この先もずっと変わらない。まずは、同居して、ゆっくり答えを見つけてみないか?俺は、ずっとお前の出す答えを待つから…』


瑞…


優しいね、嬉しいよ。


男らしい強引さにドキドキしたり、優しい声掛けにホッとしたり、嬉しかったり、不安になったり…


気持ちはかなり揺れてるけど、それでも、瑞のその問いかけに、私は自然にうなづいてしまってた。


『良かった…嬉しい』


そう言って、ニコッと笑う瑞がすごく可愛くて、素敵だった。


私達は、また美しく輝きを放つ眼下に広がる夜景に目をやった。


ただ黙って、遠くを見つめて…


瑞と見てるこの美しい景色。


いつでも思い出せるように、私はちゃんと目の奥に焼き付けた。


なぜだか、絶対に…


忘れたくなかったから。
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