予想を超えた政略結婚


この人と一緒にいられたら
どんなに幸せなんだろう。


私は涙を我慢した。


「ごめん やりすぎた」


「謝らないで下さい」


「シャワーしてくる
何なら一緒にする?」


まるで恋人扱いに少し戸惑った。


「いえ!あたしは後でするので
お先にどうぞ」


「じゃあ 玲華は
お風呂浸かりたいだろうから
お湯を貯めとくわ」


とそのままお風呂へ向かった。


早くここから脱出しなければ
早くあの人から離れなければ
離れられなくなる
最後どんな顔して
どんな言葉を交わして別れるのか
「さよなら」と笑顔でいう自信はない。


私は身支度を済ませた
幸いに荷物はないので
ささっとチェックアウトを済ませて
空港へ向かった。


夢をありがとうございました
これから先どんな事があっても
頑張っていけそうです
幸せな気分にさせて頂いて
感謝してます
お元気で  玲華
と書き置きを残した。


お互い連絡先を交換してない事が
不幸中の幸い
もし知ってたら?
連絡していたかもしれない。


ショルダーバックの中から
携帯の鳴る音がした。


相手はりっちゃんだ。


「おはよう玲華
いまどこ?」


「空港に向かってる」


「そうなんだ
1人で?」


「もちろん!」


「あの人は?」


「あの人とは?」


「もぉーーーあのイケメンよ!
朝まで一緒だったんじゃないの?」


「ち•違うわよぉ〜」


「はいはい」
りっちゃんには私の行動がわかってるのか
「はいはい」とあしらわれた。


「何よ!!!」


「べーつにぃー」


「何よ!」


「もう帰るの?」


「うん!ゆっくり出来なくてごめんね」


「いやいやこっちこそよ
遠くまで会いにきてくれたのに
何も接待もできずに」


「ううん
来て良かったと思ってるよ
色々会ったけど
これから先何があっても
頑張れそうだし」


「そうだね
幸せになれそうね」


「幸せかどうか?それは分かんないけど
何があっても頑張っていけそうな気がする」


「そうね
きっと玲華の未来は明るいと思うよ
旦那さんと落ち着いたら
また訪ねてきてね」


「それは無理だな
一緒に旅行なんてあり得ないと思うから」


「そうかな?」


「りっちゃん!
もういいよ 帰ったら現実
沢山良いようにエール送ってくれて
ありがとう
また来るね」


と電話を切った。


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