予想を超えた政略結婚


「早すぎたな」
料亭の駐車場についた途端父が言った。


父は昔からせっかちで
早め早めの行動をする。


「まだゆっくり準備できたじゃん
早くしろ早くしろって!」
私が父にグズグズってると母が
「あ!!!」と大きな声を出した。


「何?」


「手土産忘れちゃった!
お父さんが早くしろ早くしろと言うから」


「ああ!親子揃って
ワシのせいにするなよな」


まだ待ち合わせまでは1時間近くある。


「あたしが行ってくるから
車で待ってるなり
料亭で待つなりしてて」


「遅れるなよ」


「うるさい!」


すぐに近くのデパートに駆け込んで
フィナンシェを選びすぐに
料亭へと向かおうとした時だった。


え?まさか?
違う違う
こんなところに居るはずない!
幻か?


「あれ?君は?」


声をかけられ現物だと確信した。


「お•お久しぶりです
似てるなぁーと思って見てたんですよ
お仕事ですか?
全国あちこちと大変ですね」


「君は?また旅してるわけ?」


「あたしはここが地元なんで」


「ここが地元?一緒じゃん」


え?嘘!!!同じ京都?


この人とは不思議なことばかり起きる
空港でもめたり
泊まるホテルが同じだったり
ショッピングモールで
あの人のトラブル回避をしたり
またここで会った
しかも同じ京都の人だとわかった。


「あの時話したい事たくさんあったのに
お風呂から上がったら間抜けの殻」


「失礼しました」


「まぁいいけど」とニコッと笑う。


「では!急いでいるので
失礼します」


「冷たいなぁ
少しぐらい話そうよ」


話したい
話したいけどダメ。


ダメなんだよ
もうすぐに結婚相手と会うんだから。


「急いでるんでごめんなさい」


急いでいるのに着いてくる。


「まさか着いてきてます?」


「自意識過剰じゃない?
こっちに用があるだけ」


「あーそうなんですね
ごめんなさい
どこへ行かれるんです?」


「船屋という料亭
君はどこへ?」


え。。。私もそこ
こんな偶然


「あたしもそこです
そこで結婚相手と両親と会って
今後のことを決めるんです」


「へぇ。。。そうなんだ
結婚相手ね」


「あなたは?」


「オレも人と待ち合わせ」


「そうなんですね」


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