黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「美緒は、伊尾さんが花束を持ってこれから誰に会うのか、知りたいんでしょ?」

 その質問に無言でうなずく。
 するとテーブルの下でまた足を蹴られた。

「知りたいんなら、こんなところで座ってないで、さっさと追いかけなよ」
「でも……」
「でも、じゃない! 行ってこい」

 今度は容赦なくヒールでつま先を踏まれ、私は「いたいっ」と悲鳴を上げた。

 仕方なくバッグを持って立ち上がる。

「ごめんね、恵。今度またゆっくり……」
「いいからさっさと行け」

 ものすごく険しい顔でにらまれ、私は苦笑いしてから「ありがとうね」とお礼を言った。

 そして店を出て、伊尾さんの歩いて行った方向に走り出す。

 たしか、こっちの方向に歩いて行ったはず……。

 そう思いながらきょろきょろとあたりを見回していると、すぐに彼の姿を見つけられた。

 伊尾さんは長身でスタイルがいいから、雑踏の中でも目立つ。

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